国際競争力とは? そもそも競争する必要があるのか? 子ども達に競争を煽ってきたことで生まれた行き過ぎ教育。その反省から競争しなくていいんだよ、自分らしく生きようって気づいたはずなのに。同じことがGDP偏重、インバウンド重視、そして鉄道事業など公共事業偏重にも言えるのではないか。
答申では、「牽引」という言葉が6回使われている。無理やり国際競争に勝ち抜く方策として打ち出されたようで、国も東京都も地元民のことには目もくれない。
東京都が牽引するという「国際競争力の強化」のための再開発事業が今の日本に必要とはまったく思いません。
それより強化したいのはソフト面での強化による「国際競争力」です。ハード面の強化は事業者の利益絡みが見え見えで、高度成長期ならいざ知らず、時代錯誤もはなはだしい!
2022年の世界大学ランキングでは東大が35位、786校ある日本の大学で100位以内に入ったのはたったの2校。また、2022年の世界の学力で日本の子供たちの学力低下が見られ(41カ国中14位)る中、学力テストで優劣を競い合っている教育現場には24万人もの不登校生がいるそうです。皆さんはどう思われますか。本気で日本の競争力をつけたいなら、行政は未来を担う子供たちのための教育改革に今こそ取り組んでほしいと切に思います。
さらには、今を生きるわれわれ大人はどうでしょう。
2022年の世界幸福度ランキング(指標は以下に)で65カ国中54位の日本です。
国内生産(GDP)・社会的支援(Social Support)・健康寿命(healthy life expectancy)・社会的自由(freedom to make life choices)・寛容さ(Generosity)・汚職の無さ・頻度(Perceptions of corruption)・ディストピア(人生評価/主観満足度)+ 残余値(Dystopia (2.43) + Residual)
幸福度ランキングを下げる要因はいろいろあると思いますが、私は私たちの「住環境」のお粗末さも、その一つと思います。
蒲田から糀谷方面に向かう狭い2車線道路に並ぶ家や店舗すれすれに電信柱が林立し、その脇をバスが、乗用車が、自転車が、そして人が通り抜ける。こんな危険な光景は、国際都市を標榜する大田区のあちらこちらにあります。このような信じがたい危険一杯なまちにわたしたちは慣れてしまってはいけない。その結果、幸福度は遠のき、ストレスがたまるだけ。
東京直下型地震対策としても、無電柱化の工事や築何十年もたった橋梁や高速道路などの補強耐震工事など待ったなしの公共事業が山積みなのに、今、蒲蒲線の創設が本当に住民の声なのでしょうか。行政側には一度立ち止まって考えて欲しいです。
- 野沢 -
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